小学校時代から何度か児童相談所に繋がっているアルバイト未経験の高校3年生。
小中高と孤立して過ごすが、本を求めて1年生の頃から校内居場所カフェにやってきていた。
最初はカフェの大人と会話することもなかったが、2年生から次第に言葉を交わすようになり、個別相談を開始した。家族のことを語りだし、好きな趣味の解説にも花を咲かせるなど、少しずつ心を開くようになった。
校内居場所カフェでもボランティアさんとも楽しそうに話すようになり、就活を控えた3年生になりバイターンを開始。
家庭で食事がままならない事情を知っていたバイターン先企業では、おにぎり等食事の提供をしていただいた。また、社長とその子どもたちとのやりとりに「家族ってこういうものなんですね」と言うなど、「家庭的なもの」を経験し、就労場所としてだけでなく大切な地域の居場所となっていく。
仕事でも、次第に自分で新たな仕事を見つけて動けるようになり、3年生で始まった就職活動では、1社目は不採用になったものの、2社目で内定獲得した。